電装部品のリサイクル

特に最近の自動車が持つ機能は、電気系統なくしては語れないものが多くなりました。コンピューターが搭載され、あらゆる操作系が電気的に制御されるさまは、自動車がただの乗り物というよりも、ひとかたまりのシステム、あるいはロボットのようなものであるかのごときイメージを抱かせます。
そうした自動車の電気・電子系統部品を、ひとまとめにして電装部品と呼びます。今やなくてはならないこれらの部品のリサイクル状況を見ていくことにしましょう。

電装部品の代表格、電気を起こすおおもととなるのがカーバッテリーです。自動車はこの巨大な電池を搭載して走ることにより、あらゆる電装部品を制御しているというわけです。当然、カーバッテリーは常に電力を発生させる機能のほか、バッテリー切れを起こさないために随時充電し続けるという機能を併せ持つ、いわゆる二次電池です。自動車の燃料であるガソリンは、エンジンで燃焼することで動力となり、自動車の走行エネルギーと使われる一方、発電モーターを回すエネルギーとしても利用される、二つの機能を担っています。自動車はいわば、ガソリンを燃やして走る発電所といったシステムでもあるというわけです。

さてこのカーバッテリーですが、そのまま中古品として販売されることはまずありません。製品によって固体差があるとはいえ、カーバッテリーの寿命は3年から5年程度と言われており、数ある自動車部品の中でも耐用年数が短いためです。それゆえ交換時期を迎えた製品が、そのまま転用できる可能性はほぼ皆無であるため、なんらかのアクシデントで使用不能となった自動車において、カーバッテリーが無傷であった場合のみ、そのまま他の車両へ転用可能となる程度しか機会がなく、中古品リサイクルは基本的にない部品であると言えるでしょう。

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ではカーバッテリーがその寿命を迎えた場合、単純に廃棄処分となるかと言えば、決してそうではありません。カーバッテリーの多くは現在も鉛蓄電池であり、温度変化の大きい環境下で安定的に電力供給が可能なほか、短時間で大電流を発生させる瞬発力を持ち、さらに爆発などのリスクが低く、充電限界が急落するメモリー効果が少ないという特徴があるのです。多くのカーバッテリーに内在する鉛は、使用済みバッテリーとなったのち回収され、再度精錬されることで再生鉛として販売されます。この販売先の多くはバッテリー製造業者であり、特に有用性の高い電極板などの鉛原料は、再度バッテリーの材料としてリサイクルされているのです。

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しかし、平成4年ごろからの鉛相場の下落、円高傾向などの相互作用により、カーバッテリーの回収、解体、再生コストが業者の負担となってきました。割に合わないリサイクルと諦め、不法投棄が頻出しだしたのもこの頃です。鉛は環境保全上、大きな支障となりえる有害物質ですから、これは憂慮すべき事態でした。また、他の廃棄物と比べて処理に手間がかかり、専門設備も必要であったため、市町村レベルでの処理が普及していないかったことも拍車をかけたのです。

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現在、国レベルでの取り組みが行われ、自動車販売店の多くがユーザーから無償でカーバッテリーを引き取っているほか、バッテリー製造業者には販売量と同道の再生鉛の買い取り義務が課せられているほか、カーショップやガソリンスタンドなどが主体となって、使用済みカーバッテリーの引き取り窓口となっています。
自動車の電装部品は、カーバッテリーに代表されるように、単体での中古リサイクルがほとんど不可能なパーツが大半です。これらの部品をいかに拡散させず、効率よく回収することが出来るかも、今後の大きな課題となってくることでしょう。